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苦手な数学が「一番の得意教科」になるまで
A・Yさん
美原中 3年生
生徒のストーリー
「数学は、まぁこんなものですよ……」
Aさんがテントルに入塾したのは、中1の2学期。
入塾時、得意な国英社は90点前後をとれていました。それに対して、理科は70点台、数学に至っては50点台でした。
とても利発的な子なのですが、少しでも「苦手だな」と感じると自信がなくなり、自分自身に対して限界を定めてしまうところがありました。
得意な英語では95点から90点に下がってしまったときに非常に焦るくらいなので、テストに対しての重要性は理解しているようでした。しかし、その一方で、数学に対しては「まぁ、こんなものですよ」と点数へのこだわりがないように見えました。
実は、「無理に高い目標をたてても、失敗したら嫌だ」という思いが強く、苦手教科に対して積極的になれないでいたのです。
納得し、頑張って、結果で自信をつける
苦手教科に対しては消極的なAさんでしたが、それでも宿題は必ずやってきます。
決して完全に諦めているわけではありませんでした。
そんなAさんに、テントルの講師はじっくりと向き合います。
Aさんが納得できないことは、納得できるまで何度も説明しました。
数学に対して弱気な発言ばかりになってしまっていたAさんに、「今の努力がかならず点数に結び付くよ!」などと、プラスの言葉をかけ続けました。
そして迎えた2学期の期末テスト。
数学は20点近くUPの、77点をとることができました。
やっとAさんに、『数学に対する自信』がついてきました。
点数の浮き沈みで苦しんだ中2時代
しかし、その後のAさんは、70点台をとれたかと思うと、次のテストでは50点台に戻る、という繰り返しになってしまいました。
「やっぱり苦手だからしょうがない」
点数がとれないときに、悔しさを隠すように、自分を慰めるように、後ろ向きな発言をしてしまいます。
担当講師もまた、悔しい思いでAさんのテスト結果を見つめていました。
中3になって目覚めた『プライド』
明らかに『数学的思考』が身についてきているのに、自信のなさが邪魔をして本番で力を発揮できていなかったAさん。
転機は意外なタイミングでやってきました。
中3の春、コロナ禍の一斉休校により、じっくりと数学に取り組む時間ができました。
まずは『自信をなくさない』ように、中3の新出内容を、基礎からしっかり繰り返し定着させます。
そして、『自信をつけるために』、Aさんにとっては今までに体験したことがないような、複雑で難しい問題にトライさせました。
「中3って、こんなに難しいことをするんですか!?」
リモート授業ごしにAさんから戸惑いの声が聞こえたこともあります。
「普通はやらないレベルだけど、Aさんだからやるんだよ!」
~本当は50点~70点にとどまるレベルではなく、もっと上のレベルに到達できるはず~
自分が本来持っている実力を自覚し、自信をつけさせることが目標でした。
初めての80点台達成! でもそれだけではありませんでした!
できた分だけ褒められる。
褒められたいから、もっと頑張る。
その繰り返しで、だんだんと手ごたえを感じられるようになったAさん。
「自分はもっとやれるんだ!」という意識が芽生え始めました。
テスト前までには、70点台までのテスト勉強から脱却するために、講師と一緒に、詳細に学習スケジュールを立てて実行しました。
そして、1学期の期末テストで、とうとう80点台を達成しました。
その後の夏休み中も、難しい問題が解けたあとに、「私、天才かも!」と、自信に満ちた笑顔で言うようになりました。
夏期講習が明け、2学期中間テスト。
「ワークはもう3周終わったので、次は何をすればいいですか?」
と、相談をしにくるAさんは、もはや、「数学は、まぁこんなものですよ」と自分に対する言い訳をしていたころのAさんではありません。
結果は期待通り。
さも当然かのように、90点台の解答用紙を見せに来て、「一番の得意教科は数学ですね!」と笑顔で言い放ちました。
担当のコメント
講師
コヅカ タケシ
日本の古い考え方に『言霊(ことだま)』というものがあります。
古代日本では、言葉には不思議な力が宿っていて、言葉を口にすることで、その言葉どおりの結果を現すと考えられてきました。今でも、スポーツ選手などは、「できる!」とポジティブな言葉・イメージをもって競技に臨むことで良い結果を生むといわれています。
勉強においても、「自分はできない」「まぁこんなもの」と、消極的な言葉を口にすることで、自分の可能性に蓋をしてしまっている子は少なくありません。
褒められて嫌がる子どもはいません。
頑張って結果が出たら、しっかりと褒めてあげる。
その繰り返しで少しずつ自信をつけ、その子が自ら口にする言葉が前向きなものに変わってくれば、おのずと行動も前向きになっていきます。
自信がないときには励まし、自信がついてきたら、結果へつなげるためにナビゲートしてあげる。
我々講師の役割は、子ども達が『自分の可能性』に気づき、それを形にするまでのサポートだと考えています。
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